45歳定年制にするのもいいんじゃない?
ふざけんじゃねー!!
俺らをクビにしてまで儲けたいのか!!
サントリーの新浪社長が経済同友会のセミナーで「45歳定年制」を導入すべきと発言したことで、SNS上は大荒れしました。
その後、新浪社長は「首を切るわけじゃなく、別企業への転職などの選択肢を持つべきだ」と伝えたかったと釈明することに。
この発言は、定年制度を70歳まで企業に伸ばす「努力義務」とした国の方針と反する点でも叩かれたわけですが、私は「あながち無い話でもない」と感じました。
ふつーのサラリーマンですが危機感をひしひしと感じています!
そんな議論を呼んだ「45歳定年制」ですが、自分のキャリアを考える良いきっかけになったのではないでしょうか。
今、企業に何が起きているのかをまとめながら、「私みたいな平凡サラリーマンがどうやって生き残っていくのか」を考えていきたいと思います。
私たちの平均年収は減っているのがリアル
【日本の会社員の年収の推移】
1987年 371.8万円
出所:国税庁『民間給与実態統計調査』
1992年 455.0万円
1997年 467.3万円
2002年 447.8万円
2007年 437.2万円
2012年 408.0万円
2017年 432.2万円
2018年 440.7万円
2019年 436.4万円
バブル期から少しずつ平均年収は上がっていき、97年のピークを機に落ち込み、今は少し持ち直しています。
とはいえ、消費税や物価上昇を考慮すると、「昔より苦しくなっている」と感じますよね。
消費税は直近で2%増えたけど、平均年収が減っていることを加味すると影響は2%以上。
給料が減った要因としては「日本の景気が〜」とか「世界と比べて〜」とか難しい原因もあると思います。
が、簡単に言えば「儲かってない」この一言に尽きます。
どこも身を削って利益を捻出してる気がする
ではなぜ儲かっていないのか。一番の原因は十分な値上げができていないこと。
例として私が働いている食品業界を基に説明します。
食品業界は値上げに慎重な業界ですが、本当はもっと上げたい。
その原因としては食品の値上げに影響する要素が本当に多い。
- 食品の値上げに影響する要素
- ・原料の価格高騰
・海外の製造工場の人件費高騰
・輸送費、配送費の高騰
・容器や方材の上昇
など
もちろん各メーカーや卸の企業努力で価格を維持していますが、やはり吸収しきれないことも。
やむを得ず、値上げに踏み切ると、
30円も一気に上がるなんて最悪!なんとかしてよ!
値上がりして困ったわ。どうしたらいいんだろう…
食品は単価が高くないけど利用頻度が高いので露骨に反応がきます。
他にも、
- 値上げしたら別メーカーにシェアを取られるかも
- 一般客が買い控えるから、売上落ちるかも
- 飲食店はそう簡単にメニュー単価を変えられないから値上げを受けてくれない
こうした要素が、海外と比べると圧倒的に美味しくて安い食品業界を作っているのです。
特に日本の外食業界はクオリティ(サービス含め)に対して安すぎる。そんな意見も最近では聞かれるようになりました。
私の経験から食品業界を例に出しましたが、他の業界でも当てはまる業界はたくさんあるはず。
色々なモノを安くするために人件費を削っている。強いては私たちの給料を上げられない現実が平均年収の停滞・低下を招いているといえます。
退職金制度のない会社も増えている
もう一つ重要なお金といえば退職金ですが、最近では退職制度のない会社も増えています。
会社の従業員数ごとに退職金ありとなしを比較すると次の通り。
ちなみに退職金は法律上、必ず支給しなければいけないものではありません。
退職金あり | 退職金なし | |
---|---|---|
平成30年調査計 | 80.5% | 19.5% |
1,000人以上 | 92.3% | 7.7% |
300~999人 | 91.8% | 8.2% |
100~299人 | 84.9% | 15.1% |
30~99人 | 77.6% | 22.4% |
会社の規模にもよりますが、約20%の人が退職金を貰えないのです。
そして退職金平均額は次の通り。
- 平成9年(1997年)=2,871万円
- 平成30年(2018年)=1,788万円
厚生労働省の「就労条件総合調査」によると20年で退職金平均額は約1,000万円減っていることがわかります。
つまり、退職金を企業が用意することに限界が来ているとも言えます。
私たちは逆風の中でどう生きていくのがいいのか
こんな厳しい現実の中、私のような凡人サラリーマンはこの逆風の中でどう立ち回るのか。
解決策としては次の三つを提案します。
- スキル・人脈を築いてフリーランス
- 副業で他に収入の柱を作る
- 伸びている業界へ転職する
フリーランスになる
コロナ禍になって「フリーランス」という単語を耳にする機会増えてませんか?
フリーランスとは言葉の通り、会社に所属せずフリーで働くスタイル。
ある会社のあるプロジェクトのみ関わって働き、報酬を得るという働き方や個人で企業と業務提携を交わすというのが一般的。
日本のフリーランス人口は全体の24%(意外と多い!?)と年々増えてきましたが、アメリカでは労働人口の約35%がフリーランスと言われているので今後は更に増えていくことが予想されます。
会社に頼らない生き方を目指す。これも一つの戦略です。
一方で、フリーで働くことで会社の保護や社会的信頼が無くなるリスクもあります。
副業で他に収入の柱を作る
- 転売(せどり)
- ネットショップ(ハンドメイド商品など)
- Uberなどの短期バイト
- クラウドソーシング
- ブログ
次の案として、会社員の給料にプラスして副業で収入を確保する。
これはフリーランスよりも気軽にはじめられるのとリスクが低いという点でオススメできます。
副業解禁が世間の流れですが、会社規定に引っかかる可能性はあるので要確認!
伸びている業界へ転職する
一体どんな業界が伸びているんだろう?
色々と悲観的な数字を挙げてきましたが、実は順調に伸びている業界もあります。
- IT業界
- EC業界(ネット販売)
- 倉庫・物流業界
- 医療・介護業界
- エンタメ業界(配信コンテンツ)
IT業界のようなコンピューターやネットに関連する業界と少子高齢化の影響を受ける業界はコロナ禍でも順調に成長しています。
一方で、システムやAIの発達で影響を受ける「作業性の高い仕事」、主に事務仕事や受発注対応、クレーム処理などの仕事については衰退していくと考えられます。
もしもあなたの仕事が「システムに置き換わっても問題ない」と感じる業務に関わっている方は真剣に転職を考えた方がいい。
むしろ、”全サラリーマンが転職エージェントだけは利用しておくべき”と言いたい。
転職活動は自分の可能性を広げるという意味でも楽しく取り組めます♪
働きながらの転職活動に転職エージェントの利用は必須。無料で利用できるのでぜひ利用しましょう!
自分の人生は自分でコントロールする
45歳定年制は過激な案。すぐに実現するかと言われたら、個人的には難しいと感じます。
ですが、サントリーという食品業界でも給料が高く、人気の企業。そのトップが発言したことに一抹の不安を覚えるのも事実。
ここから考えるべきは、いかに自分の人生を自分でコントロールしていくか。
私たちの親世代のように「終身雇用性で会社にお任せ」で生きていくのは無理。
フリーランスでも副業でも転職でも、なんでもいいから「働くことのリスク管理」を頭の片隅に置いておくのはこれからのサラリーマン必須の考え方です。
少しでも自分のキャリアに不安を感じる人は、自分の将来を少しでも考える時間を作りましょう!
コメント